「失業保険はいくらもらえるの?」「今の給料の何割くらいになるの?」と、退職前に気になる方は多いですよね。

結論からお伝えすると、失業保険(雇用保険の基本手当)の1日あたりの金額は、離職前6か月の給与のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)です。年収360万円(月給30万円・賞与なし)の30代なら1日あたり6,307円で、30日分にすると給与の約6割です。年収が高いほど割合は下がり、上限額もあります。この記事では、年収別の早見表と計算方法、総額が変わる条件を解説します。

この記事のポイント

  • 失業保険の1日あたりの金額は、離職前6か月の給与(額面・賞与を除く)を180で割った賃金日額に、給付率をかけて計算します。
  • 30日分の金額は、年収240万円で月給の約75%、年収480万円で約51%、年収720万円で約41%と、年収が高いほど割合が下がります(30〜44歳・賞与なしの場合)。
  • 賞与は計算に含まれないため、年収が同じでも賞与の割合が高い人ほど金額は低くなります。
  • 総額は「1日あたりの金額×所定給付日数」で、同じ給与でも離職理由と加入期間によって2倍以上の差が出ることがあります。
  • 失業保険は非課税ですが、受給中も国民健康保険料や国民年金保険料などの支払いがあります。

失業保険はいくらもらえる?年収別の早見表

失業保険として一般に呼ばれるのは、雇用保険の「基本手当」です。2026年8月1日以降の基準で、賞与がなく、年収を12か月で割った月給が6か月とも同じだった場合の金額を計算すると次のとおりです(1円未満は切り捨て)。

年収(月給)1日あたり(30〜44歳)1日あたり(45〜59歳)30日分の目安月給に対する割合
240万円(20万円)5,036円5,036円約15.1万円約76%
300万円(25万円)5,775円5,775円約17.3万円約69%
360万円(30万円)6,307円6,307円約18.9万円約63%
420万円(35万円)6,629円6,629円約19.9万円約57%
480万円(40万円)6,744円6,744円約20.2万円約51%
540万円(45万円)7,500円7,500円約22.5万円約50%
600万円(50万円)8,270円(上限)8,333円約24.8万円約50%
720万円(60万円)8,270円(上限)9,110円(上限)約24.8万円約41%
840万円(70万円)8,270円(上限)9,110円(上限)約24.8万円約35%

「30日分の目安」と「月給に対する割合」は30〜44歳の場合です。年収が高くなるほど給付率が下がり、さらに年齢別の上限額にかかるため、給与に対する割合は小さくなります。29歳以下の上限は7,450円、60〜64歳の上限は7,830円で、60〜64歳は給付率の下限が45%のため、同じ年収でも59歳以下より金額が低くなる場合があります。

注意:早見表は目安です。実際の金額は、離職票の賃金欄をもとにハローワークが決定し、雇用保険受給資格者証に記載されます。

関連記事:失業保険幾ら貰える|受給額の計算方法・給付日数・金額が変わる条件を解説

失業保険の受給額の計算方法

失業保険の総額は、次の式で決まります。

総額の目安=基本手当日額(1日あたりの金額)×所定給付日数(受け取れる日数の上限)

基本手当日額の計算

まず、離職した日の直前6か月に毎月決まって支払われた賃金(税金や社会保険料が引かれる前の額面、賞与を除く)の合計を180で割り、「賃金日額」を出します。残業手当や通勤手当など毎月支払われる手当も含まれます。

次に、賃金日額に給付率をかけます。2026年8月1日からの給付率は、59歳以下の場合、賃金日額が5,480円未満なら80%、5,480円以上13,490円以下なら80%〜50%、13,490円超なら50%です。60〜64歳は、12,120円超で45%になります。

離職時の年齢基本手当日額の上限額基本手当日額の下限額
29歳以下7,450円2,562円
30〜44歳8,270円2,562円
45〜59歳9,110円2,562円
60〜64歳7,830円2,562円

上限額と下限額は、「毎月勤労統計」の平均定期給与額の増減をもとに、毎年8月1日に見直されます。

所定給付日数の決まり方

受け取れる日数の上限(所定給付日数)は、離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間、離職理由によって、90日〜360日の間で決まります。自己都合退職や定年退職の場合は、加入期間10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日です。

関連記事:失業手当計算シミュレーション|受給額の計算方法・給付日数・金額が変わる条件を解説

離職理由と加入期間で総額はどれくらい変わる?

同じ給与でも、離職理由と加入期間によって総額は大きく変わります。35歳・月給30万円(1日あたり6,307円)の人を例に、総額の目安を比べると次のとおりです。

加入期間自己都合退職など倒産・解雇など(特定受給資格者)
1年以上5年未満90日・約56.8万円150日・約94.6万円
5年以上10年未満90日・約56.8万円180日・約113.5万円
10年以上20年未満120日・約75.7万円240日・約151.4万円
20年以上150日・約94.6万円270日・約170.3万円

倒産や解雇などで離職した特定受給資格者は、自己都合退職と比べて日数が多くなり、総額が2倍近くになることもあります。期間の定めのある労働契約が更新されなかったことによる特定理由離職者の一部も、離職日が2027年3月31日までであれば特定受給資格者と同じ日数です。

自分がどの区分に当たるかは、離職票の離職理由をもとにハローワークが判定します。実際の離職理由と離職票の記載が異なる場合は、受給手続きの際にハローワークに伝えましょう。

関連記事:特定理由離職者とは?該当条件・給付日数・必要な確認書類を解説

賞与の有無で失業保険の金額が変わる理由

失業保険の計算には、毎月決まって支払われた賃金だけを使い、賞与は含みません。そのため、年収が同じでも、賞与の割合によって1日あたりの金額が変わります。年収480万円・30〜44歳の場合で比べると、次のとおりです。

給与の内訳賃金日額1日あたりの金額90日分の目安
月給40万円・賞与なし13,333円6,744円約60.7万円
月給30万円・賞与120万円10,000円6,307円約56.8万円
月給24万円・賞与192万円8,000円5,644円約50.8万円

年収で見ると同じでも、月給が低く賞与が多い人ほど、失業保険の金額は低くなります。自分の金額を計算するときは、年収ではなく、離職前6か月の給与明細の総支給額(賞与を除く)を使いましょう。

失業保険をもらう前に知っておきたいお金の注意点

最初の振込までに時間がかかる

失業保険は、受給資格の決定後、7日間の待期を経て、原則4週間に1回の失業認定ごとに振り込まれます。正当な理由のない自己都合退職の場合は、待期の後に給付制限があり(退職日が2025年4月1日以降なら原則1か月)、その間は支給されません。退職後しばらくの生活費は、貯蓄などで準備しておきましょう。

関連記事:失業保険自己都合すぐもらう|失業保険の開始時期・給付期間・手続きを解説

失業保険は非課税だが、社会保険料などの支払いは続く

雇用保険の基本手当は非課税のため、所得税や住民税はかかりません。ただし、受給中も国民健康保険料や国民年金保険料、前年の所得にもとづく住民税などの支払いがあります。国民年金には、失業した人を対象に保険料の免除を審査する特例もあるため、住んでいる市区町村で確認しましょう。

受給期間を過ぎると残りはもらえない

失業保険を受け取れる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。手続きが遅れてこの期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても受け取れません。離職票が届いたら、早めにハローワークで手続きしましょう。

早く就職すると再就職手当を受け取れる場合がある

所定給付日数を3分の1以上残して安定した職業に就き、一定の要件を満たすと、残日数の60%(3分の2以上残している場合は70%)分が再就職手当として支給されます。失業保険を全額受け取ることだけでなく、早期の再就職も含めて考えてみましょう。

関連記事:再就職手当条件|対象者・受給要件・対象外になるケースをわかりやすく解説

失業保険はいくらもらえるかに関するよくある質問

Q. 失業保険は給料の何割もらえますか?

A. 1日あたりの金額は、賃金日額のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)です。給与が低い人ほど割合が高く、月給20万円なら約75%、月給40万円なら約50%が目安です(30〜44歳・30日分で比較した場合)。

Q. 年収で計算してもいいですか?

A. 失業保険は年収ではなく、離職前6か月の毎月の給与(賞与を除く)で計算します。賞与がある人が年収で計算すると、実際より高い金額になってしまうため注意しましょう。

Q. 失業保険の上限はいくらですか?

A. 2026年8月1日からの1日あたりの上限額は、29歳以下7,450円、30〜44歳8,270円、45〜59歳9,110円、60〜64歳7,830円です。

Q. 65歳以上でも失業保険はもらえますか?

A. 65歳以上で離職した場合は、基本手当ではなく高年齢求職者給付金として、被保険者期間1年以上で基本手当日額の50日分、1年未満で30日分が一時金で支給されます。

関連記事:65歳以上の失業保険|年齢別の給付制度・受給条件・申請方法を解説

まとめ|失業保険の金額は給与・離職理由・加入期間で決まる

  • 失業保険(基本手当)の1日あたりの金額は、離職前6か月の給与(額面・賞与を除く)のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)です。
  • 年収が高いほど給与に対する割合は下がり、2026年8月1日からの上限額は7,450円〜9,110円です。
  • 総額は「1日あたりの金額×所定給付日数」で、離職理由と加入期間によって2倍近く差が出ることがあります。
  • 賞与は計算に含まれないため、年収ではなく毎月の給与で計算しましょう。
  • 最初の振込までの期間や、受給中の社会保険料などの支払いも含めて、退職後の資金計画を立てておくと安心です。

まずは直近6か月の給与明細の総支給額を合計し、早見表と見比べて自分の金額の目安を確認してみてください。

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退職理由や加入期間、体調によって、受け取れる給付の種類や金額、手続きの順番は変わります。自分の場合にどのくらい受け取れるのかを整理したい方は、RE:STARTの無料相談をご確認ください。

「退職前サポート RE:START」は、退職前給付金のサポートを行うサービスで、公式サイトではLINEでの無料相談・無料診断を案内し、退職前の相談を呼びかけています。なお、受給の可否や金額は、ハローワークや加入している健康保険の審査によって個別に決まります。

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参考文献

※確認日:2026年10月20日。制度の内容・金額・期限は改正されることがあります。最新の情報は各公的機関のページでご確認ください。