転職先や手続きの場面で「雇用保険被保険者証を出してください」と言われ、「そもそももらった覚えがない」と困っていませんか。

結論からお伝えすると、雇用保険被保険者証は、会社が雇用保険の加入手続きをした後に、会社を経由して本人に渡される書類です。もらっていない場合は、会社が保管しているケースが多く、まずは勤務先(または前の会社)に確認しましょう。見つからない場合でも、ハローワークで再交付を受けられます。この記事では、もらっていない理由と確認方法、再交付の手続きと必要書類を解説します。

この記事のポイント

  • 雇用保険被保険者証は、会社が加入手続きをした後、ハローワークから会社経由で本人に交付される書類です。
  • もらっていない主な理由は、会社がまとめて保管している、渡し忘れている、そもそも雇用保険に加入していない、のいずれかです。
  • 在職中は勤務先、退職後は前の会社に、まず保管状況を確認しましょう。
  • 見つからない場合は、ハローワークで再交付を申請できます。窓口・郵送・電子申請に対応しています。
  • 失業保険の手続きは離職票で行うため、被保険者証がなくても手続きできます。

雇用保険被保険者証とは

雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入していることを証明する書類です。会社が「雇用保険被保険者資格取得届」をハローワークに提出すると交付され、雇用保険番号(11桁の被保険者番号)や氏名、資格を取得した日などが記載されています。

雇用保険番号は原則として一人に一つで、転職しても同じ番号を使い続けます。被保険者証は、主に転職先で雇用保険の手続きをするときに、番号を確認するために使われます。

主な使う場面使う理由
転職先での入社手続き前の会社で使っていた雇用保険番号を会社に伝えるため
教育訓練給付金などの申請雇用保険番号の記入や加入の確認のため
自分の加入状況の確認雇用保険に加入しているか、いつから加入しているかを確認するため

関連記事:雇用保険被保険者証とは?使う場面・確認方法・再発行手続きを解説

雇用保険被保険者証をもらっていない主な理由

理由1:会社がまとめて保管している

雇用保険被保険者証は、本来は本人に渡す書類ですが、紛失防止などの理由で会社がまとめて保管し、退職時に渡しているケースがあります。在職中に受け取った覚えがない場合は、この可能性が最も高いといえます。

理由2:会社が渡し忘れている

退職時に渡されるはずの被保険者証が、離職票などとは別の書類のため、渡し忘れられていることもあります。退職時に受け取った書類一式を見直してみましょう。

理由3:受け取ったが覚えていない

入社時の書類と一緒に受け取り、そのまま保管していることもあります。被保険者証は、「資格取得等確認通知書」と一体の用紙になっている場合もあるため、入社時の書類や給与関係の書類の中を探してみましょう。

理由4:雇用保険に加入していない

雇用保険に加入していなければ、被保険者証は交付されません。雇用保険の加入要件は、原則として1週間の所定労働時間が20時間以上で、同一の事業主に31日以上の雇用見込みがあることです。短時間のパートやアルバイトだった場合は、加入していなかった可能性もあります。

関連記事:雇用保険加入要件|週20時間・雇用見込みなど加入要件と手続きを解説

雇用保険被保険者証をもらっていないときの確認方法

状況に応じて、次の順番で確認すると効率的です。

今の状況まず確認すること見つからない場合
在職中勤務先の人事・総務に被保険者証の保管状況を確認勤務先で再交付の手続きを依頼、またはハローワークで再交付
退職後前の会社に被保険者証の保管状況を確認、退職時の書類を見直すハローワークで再交付
転職先から提出を求められた前の会社に確認、マイナポータルで番号を確認ハローワークで再交付

在職中の場合:勤務先に確認する

在職中であれば、まずは人事や総務の担当者に「雇用保険被保険者証を会社で保管しているか」を確認しましょう。会社が保管していれば、写しを見せてもらうか、必要に応じて受け取れるか相談します。ハローワークは、できれば在職中に雇用保険被保険者証の有無を確認するよう案内しています。

退職後の場合:前の会社に確認する

退職後に被保険者証が必要になった場合は、前の会社に保管していないか問い合わせます。あわせて、退職時に受け取った離職票や雇用保険被保険者資格喪失確認通知書があれば、そこにも雇用保険番号が記載されています。

雇用保険番号だけ知りたい場合:マイナポータルで確認する

転職先に伝える雇用保険番号だけが必要なら、マイナポータルで確認できる場合があります。マイナンバーカードでログインし、雇用保険の加入記録を検索すると、事業所名、資格取得日、資格喪失日、被保険者番号などが表示されます。現在加入しているか、検索日から5年以内に離職や受給などの情報があり、マイナンバーをハローワークに届け出ていることが条件です。

関連記事:雇用保険番号調べ方|確認方法・必要書類・困ったときの手続きを解説

雇用保険に加入しているかを確認する方法

被保険者証をもらっていない場合は、そもそも雇用保険に加入しているかも確認しておきましょう。

給与明細で雇用保険料の控除を確認する

雇用保険に加入していると、毎月の給与から雇用保険料が控除されます。給与明細の控除欄に「雇用保険料」の記載があれば、加入している可能性が高いといえます。

マイナポータルで加入記録を確認する

マイナポータルの雇用保険の加入記録で、資格取得日などを確認できます。在職中なのに記録が表示されない場合は、マイナンバーの届出がされていないか、加入手続きがされていない可能性があります。

加入していなかった場合

加入要件を満たしているのに加入していない場合は、まず会社に確認しましょう。会社が対応しない場合は、ハローワークに相談できます。会社の届出漏れが確認された場合、さかのぼって加入できることがあります。給与明細は、雇用保険料が控除されていたことを示す資料になるため、捨てずに保管しておきましょう。

ハローワークでの再交付手続きと必要書類

会社にも手元にもない場合は、本人がハローワークで雇用保険被保険者証の再交付を申請できます。在職中であれば、勤務先を通じて手続きしてもらえる場合もあります。群馬労働局の案内をもとに、本人が申請する場合の手続きを整理すると次のとおりです。

申請方法

申請方法内容
ハローワークの窓口最寄りのハローワーク(本所・出張所)で申請。急ぐ場合に向いている
郵送再交付申請書、本人確認書類の写し、返信用封筒(記録が残る郵便分の切手を貼付)を最寄りのハローワークへ送付。交付まで2週間程度
電子申請(e-Gov)オンラインで申請。本人確認書類は写しを添付

必要書類

  • 雇用保険被保険者証再交付申請書
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など写真付きの官公庁発行の身分証明書なら1種類。住民票、公的医療保険の被保険者証などの場合は異なる2種類)
  • 郵送の場合は返信用封筒
  • 代理人が申請する場合は委任状

申請前に準備しておく情報

過去の職歴などから本人の被保険者番号を確認できない場合は、再交付を受けられません。再交付申請書には、最後に雇用保険に加入していた会社の名称や所在地を記入します。窓口では複数の職歴を尋ねられることもあるため、勤務していた会社の名称、所在地、在籍期間をメモしておくとスムーズです。

注意:ハローワークは、情報漏えい防止のため、電話では被保険者番号の検索や回答を行っていないと案内しています。電話で番号を教えてもらうことはできないため、再交付の手続きを利用しましょう。

雇用保険被保険者証がなくても失業保険はもらえる?

失業保険(雇用保険の基本手当)の手続きは、退職後に会社から届く雇用保険被保険者離職票(-1、-2)をハローワークに提出して行います。ハローワークが案内する必要書類は、離職票、個人番号確認書類、身元確認書類、写真2枚(マイナンバーカードを毎回提示する場合は省略可)、本人名義の預金通帳またはキャッシュカードで、被保険者証は含まれていません。被保険者証をもらっていなくても、失業保険の手続きは進められます。

ただし、離職票が届かないと手続きができません。離職日の翌々日から10日を過ぎても届かない場合は、まず会社に処理状況を確認し、それでも届かない場合は、住所を管轄するハローワークに相談しましょう。

関連記事:失業保険のもらい方|申請手順・必要書類・受給開始までの流れを解説

雇用保険被保険者証をもらっていないときの注意点

転職前に確認しておく

転職先で雇用保険番号がわからないと、新しい番号が付けられて番号が重複してしまうことがあります。番号が重複すると、雇用保険の加入期間が正しく通算されないおそれがあります。転職が決まったら、退職前に被保険者証の保管場所を確認しておきましょう。

番号が複数ある場合は統合する

すでに番号が重複していることがわかった場合は、「雇用保険被保険者資格取得・喪失届等訂正・取消願」をハローワークに提出して、番号を統合します。在職中であれば、勤務先の担当者に相談しましょう。

雇用保険被保険者証をもらっていないときのよくある質問

Q. 会社が被保険者証を保管するのは問題ないですか?

A. 被保険者証は本人に交付される書類ですが、紛失防止などのために会社が保管しているケースもあります。必要なときに受け取れるか、退職時に渡してもらえるかを確認しておきましょう。

Q. 転職先に被保険者証を出せない場合はどうすればいいですか?

A. 転職先に必要なのは主に雇用保険番号です。前の会社への確認やマイナポータルで番号がわかれば、それを伝えましょう。番号がわからない場合は、転職先の担当者に相談したうえで、ハローワークで再交付を申請します。

Q. 再交付にお金はかかりますか?

A. ハローワークの案内では、手数料についての記載はありません。郵送で申請する場合は、返信用封筒の切手代がかかります。

Q. 何年も前の会社の被保険者証ももらえますか?

A. 雇用保険番号は原則として一人に一つのため、過去の会社で付けられた番号が今も使われている可能性があります。当時の会社の名称や所在地をメモして、ハローワークで再交付を申請してください。

まとめ|雇用保険被保険者証をもらっていないときは会社とハローワークに確認しよう

  • 雇用保険被保険者証は、会社が加入手続きをした後に、会社経由で本人に交付される書類です。
  • もらっていない場合は、会社が保管している、渡し忘れている、雇用保険に加入していない、のいずれかが考えられます。
  • 在職中は勤務先、退職後は前の会社に保管状況を確認し、番号だけ必要ならマイナポータルも活用しましょう。
  • 見つからない場合は、ハローワークで再交付を申請できます。本人確認書類と前の会社の情報を準備します。
  • 失業保険の手続きは離職票で行うため、被保険者証がなくても手続きできます。

まずは勤務先か前の会社に、雇用保険被保険者証を保管していないか確認するところから始めてみてください。

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参考文献

※確認日:2026年10月20日。制度の内容・手続きは改正されることがあります。最新の情報は各公的機関のページでご確認ください。