ハローワークで失業給付の手続きを始めると、「受給資格者証」という書類を受け取ります。名前が長く、何が書いてあるのか分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
この書類は、雇用保険の基本手当(一般に失業保険と呼ばれる給付)を受け取る資格があることを示す書類で、認定日の手続きなどで使います。この記事では、雇用保険受給資格者証の受け取り時期、主な欄の見方、必要になる場面を解説します。
この記事のポイント
- 雇用保険受給資格者証は、ハローワークで基本手当の受給資格の決定を受けた人に交付される書類です。
- 受給資格の決定後、雇用保険受給者初回説明会で、失業認定申告書とあわせて受け取ります。
- マイナンバーカードで手続きした場合は、受給資格者証の代わりに「受給資格通知」が交付されます(令和4年10月1日から)。
- 基本手当日額、所定給付日数、受給期間満了年月日、離職理由などが記載されています。
- 認定日のほか、国民健康保険料の軽減や国民年金保険料の免除の手続きでも使うことがあります。
雇用保険受給資格者証とは
雇用保険受給資格者証とは、ハローワークで基本手当の受給資格の決定を受けた人に交付される書類です。基本手当を受け取る資格があることや、1日あたりの金額、受け取れる日数などが記載されています。
ハローワークの案内では、原則として4週間に1度の認定日に、求職活動の状況などを記入した失業認定申告書を、雇用保険受給資格者証とともに提出するとされています。受給中は、認定日のたびに使う大切な書類です。
ポイント:雇用保険受給資格者証は、退職後にハローワークで手続きをした人が受け取る書類です。在職中に交付される雇用保険被保険者証とは別のものです。
雇用保険被保険者証・離職票との違い
雇用保険の手続きでは、名前の似た書類が3つ出てきます。
| 書類 | 受け取る時期 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 雇用保険被保険者証 | 雇用保険に加入したとき(一般的に会社経由) | 雇用保険に加入していることを示し、被保険者番号を確認する |
| 雇用保険被保険者離職票(-1、-2) | 退職後(一般的に会社経由) | ハローワークで基本手当の手続きを始めるときに提出する |
| 雇用保険受給資格者証 | 受給資格の決定後、雇用保険受給者初回説明会で | 認定日に提出し、受給の記録を確認する |
関連記事:雇用保険被保険者証とは?使う場面・確認方法・再発行手続きを解説
雇用保険受給資格者証はいつもらえる?
雇用保険受給資格者証は、郵送されるものではなく、ハローワークでの手続きの流れの中で受け取ります。
| 手続きの流れ | 内容 |
|---|---|
| 1. 求職の申込み・離職票の提出 | 住所を管轄するハローワークで手続きし、受給資格の決定を受ける |
| 2. 待期(7日間) | 基本手当は支給されない |
| 3. 雇用保険受給者初回説明会 | 雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取り、1回目の認定日が知らされる |
| 4. 認定日 | 失業認定申告書と雇用保険受給資格者証を提出し、失業の認定を受ける |
受給手続きの持ち物には写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm)が含まれていますが、マイナンバーカードを毎回提示する場合は省略できます。
関連記事:退職給付金はどうやってもらうの|申請手順・必要書類・受給開始までの流れを解説
マイナンバーカードで手続きした場合は「受給資格通知」
厚生労働省の通知によると、令和4年10月1日から、本人の希望に応じて、マイナンバーカードを提示して受給資格の確認を受けた場合は、失業認定などの手続きで雇用保険受給資格者証の提出が不要になり、代わりに「受給資格通知」が交付されるようになりました。
| 受給資格通知の種類 | 交付されるタイミング |
|---|---|
| 全件版 | 初回の交付時(雇用保険受給者初回説明会) |
| 最新処理状況版 | 認定日ごとに、マイナンバーカードで本人確認を受けた後、失業の認定のたびに交付 |
同じ通知では、「最新処理状況版」には基本手当の日額が記載されない場合があり、その場合は通知に記載された支給金額を支給日数で割って求めるとされています。家族の健康保険の扶養に入る手続きなどで日額を確認する場合は注意しましょう。
雇用保険受給資格者証の見方
ハローワークインターネットサービスに掲載されている様式をもとに、主な記載欄と確認ポイントを整理しました。
| 主な記載欄 | 確認ポイント |
|---|---|
| 被保険者番号・支給番号 | 雇用保険の被保険者番号と、基本手当の支給に使う番号 |
| 離職年月日・離職時年齢 | 受給期間や所定給付日数の判断のもとになる |
| 離職理由 | ハローワークが判定した離職理由がコードで記載される |
| 離職時賃金日額 | 基本手当日額を計算するもとになる賃金日額 |
| 基本手当日額 | 1日あたりに支給される金額 |
| 所定給付日数 | 基本手当を受け取れる日数の上限 |
| 受給期間満了年月日 | 基本手当を受け取れる期限(原則として離職日の翌日から1年) |
| 給付制限 | 給付制限がある場合に、その期間が記載される |
| 認定日 | ハローワークに来所して失業の認定を受ける日 |
| 支払方法(金融機関・口座番号) | 基本手当の振込先 |
認定のたびに記録される欄の見方
東京労働局(ハローワーク)の「雇用保険受給資格者証の見方」では、裏面に、待期満了日、認定期間と認定した支給日数、残っている支給日数、次回認定日などが記録されると説明されています。たとえば「040509-0529」「21」と記載されていれば、令和4年5月9日から29日までの期間について21日分が認定されたという意味です。
残っている支給日数を確認すると、あと何日分受け取れるのかが分かります。受給期間満了年月日とあわせて確認しておきましょう。
関連記事:失業保険の受給期間はいつまで?給付日数・受給期限・延長できるケースを解説
離職理由コードの確認
離職理由欄には、ハローワークが判定した離職理由がコード(数字)で記載されます。神奈川労働局(ハローワーク)の案内では、倒産や解雇などによる離職、または雇止めなどによる離職をした人で、離職理由のコードが11、12、21、22、31、32、23、33のいずれかであれば、国民健康保険料(税)の軽減を受けられるとされています。
離職理由は、給付制限の有無や所定給付日数にも関わります。記載内容が実際の退職理由と異なると感じた場合は、ハローワークに相談しましょう。
雇用保険受給資格者証が必要な場面
| 場面 | 使い方 |
|---|---|
| 認定日 | 失業認定申告書とあわせて提出し、失業の認定を受ける |
| 国民健康保険料(税)の軽減の届出 | 倒産・解雇・雇止めなどで離職した人が、お住まいの市区町村に届け出る際に、離職理由の確認に使う |
| 国民年金保険料の免除申請 | 日本年金機構は、失業を理由とする申請で、退職の事実を確認できる書類として雇用保険受給資格者証などを挙げている |
| 家族の健康保険の扶養に入る手続き | 基本手当日額の確認を求められることがある |
| 受給期間内に再就職して、再び離職したとき | 前の受給資格の残りを受け取る場合に、就職前の受給資格者証と離職票(または再離職証明書)が必要になる |
扶養については、神奈川労働局の案内で、基本手当を受給すると配偶者の会社の規定などにより扶養家族になれない場合があるため、確認が必要とされています。
関連記事:失業保険の計算|受給額の計算方法・給付日数・金額が変わる条件を解説
雇用保険受給資格者証で気をつけたいこと
受給が終わるまで大切に保管する
認定日ごとに使うため、受給中はなくさないように保管しましょう。受給が終わった後も、国民健康保険や国民年金の手続き、受給期間内の再離職などで必要になることがあります。紛失した場合は、早めにハローワークに相談してください。
確定申告は不要
神奈川労働局の案内では、基本手当はすべて非課税のため、確定申告の必要はないとされています。
記載内容は受け取ったときに確認する
受け取ったら、氏名や振込先の口座、離職理由、基本手当日額、所定給付日数などに誤りがないか確認しましょう。気になる点があれば、その場でハローワークに確認すると安心です。
雇用保険受給資格者証に関するよくある質問
Q. 雇用保険受給資格者証は郵送されますか?
A. 一般的には、受給資格の決定後に参加する雇用保険受給者初回説明会で受け取ります。
Q. マイナンバーカードで手続きしたら、受給資格者証はもらえませんか?
A. 令和4年10月1日からは、マイナンバーカードを提示して受給資格の確認を受けた場合、受給資格者証の代わりに受給資格通知が交付されます。認定の手続きで受給資格者証を提出する必要はありません。
Q. 自分の基本手当日額はどこで分かりますか?
A. 雇用保険受給資格者証の「基本手当日額」の欄で確認できます。受給資格通知の最新処理状況版に日額が記載されていない場合は、支給金額を支給日数で割って求めます。
Q. 国民健康保険料の軽減を受けるには何が必要ですか?
A. 倒産・解雇・雇止めなどで離職した人が対象で、届け出が必要です。必要な書類や手続きは、お住まいの市区町村に確認しましょう。
まとめ|雇用保険受給資格者証は受給中の大切な記録
- 雇用保険受給資格者証は、基本手当の受給資格の決定を受けた人に交付される書類です。
- 雇用保険受給者初回説明会で、失業認定申告書とあわせて受け取ります。
- マイナンバーカードで手続きした場合は、受給資格者証の代わりに受給資格通知が交付されます。
- 基本手当日額、所定給付日数、受給期間満了年月日、離職理由、残っている支給日数などを確認できます。
- 認定日のほか、国民健康保険料の軽減や国民年金保険料の免除申請などでも使うことがあります。
受け取ったら、まずは基本手当日額と所定給付日数、受給期間満了年月日を確認し、受給が終わるまで大切に保管してください。
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参考文献
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険受給資格者証」様式
- 厚生労働省「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令の施行に伴う雇用保険受給資格者証の見直しへの対応について」(令和4年9月30日)
- 東京労働局(ハローワーク)「雇用保険受給資格者証の見方」
- 神奈川労働局(ハローワーク)「雇用保険受給者のみなさまへ」(R7.4)
- 日本年金機構「【転職をご検討中の方へ】国民年金の加入、保険料免除・納付猶予制度のご案内」
- ハローワーク札幌「受給中に就職して受給期間内に再び離職したときは」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
※確認日:2026年10月2日。制度の内容・様式・手続きは改正されることがあります。最新の情報は各公的機関のページでご確認ください。