退職を考え始めると、「失業保険はいくらもらえるの?」「生活費は足りるの?」と気になりますよね。

結論からお伝えすると、失業保険(雇用保険の基本手当)の1日あたりの金額は、離職前の給与のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)です。たとえば30代で月給30万円の人なら1日あたり約6,300円、4週間ごとの振込額は約17.7万円が目安です。総額は、これに受け取れる日数(所定給付日数)をかけて決まります。この記事では、月給別の早見表と計算方法、金額が変わる条件を解説します。

この記事のポイント

  • 失業保険の1日あたりの金額(基本手当日額)は、離職前6か月の給与(賞与を除く)から計算し、給与が低い人ほど高い率になります。
  • 月給20万円で日額約5,000円、月給30万円で約6,300円、月給40万円で約6,700円が目安です(30〜44歳の場合)。
  • 2026年8月1日からの1日あたりの上限額は年齢により7,450円〜9,110円、下限額は2,562円です。
  • 受け取れる日数は90日〜360日で、自己都合退職なら加入期間に応じて90日・120日・150日のいずれかです。
  • 振込は原則4週間に1回で、自己都合退職の場合は給付制限があるため、最初の振込まで時間がかかります。

失業保険はいくらもらえる?月給別の早見表

失業保険として一般に呼ばれるのは、雇用保険の「基本手当」です。2026年8月1日以降の基準で、離職前6か月の月給が毎月同じだった場合の1日あたりの金額(基本手当日額)を計算すると、次のとおりです(1円未満は切り捨て)。

月給別・年齢別の1日あたりの金額

離職前の月給(額面)29歳以下30〜44歳45〜59歳60〜64歳
15万円4,000円4,000円4,000円4,000円
20万円5,036円5,036円5,036円4,916円
25万円5,775円5,775円5,775円5,264円
30万円6,307円6,307円6,307円5,348円
35万円6,629円6,629円6,629円5,431円
40万円6,744円6,744円6,744円5,999円
45万円7,450円7,500円7,500円6,750円
50万円7,450円8,270円8,333円7,499円
60万円7,450円8,270円9,110円7,830円

月給が45万円を超えるあたりから、年齢別の上限額にかかり、給与が増えても1日あたりの金額は増えなくなります。60〜64歳は給付率の下限が45%のため、同じ月給でも59歳以下より金額が低くなる場合があります。

月給別の振込額と総額の目安(30〜44歳の場合)

失業保険は、原則として4週間(28日)に1回、失業の認定を受けた日数分がまとめて振り込まれます。所定給付日数ごとの総額の目安は次のとおりです。

離職前の月給1日あたり4週間分(28日)90日分120日分150日分
15万円4,000円約11.2万円約36.0万円約48.0万円約60.0万円
20万円5,036円約14.1万円約45.3万円約60.4万円約75.5万円
25万円5,775円約16.2万円約52.0万円約69.3万円約86.6万円
30万円6,307円約17.7万円約56.8万円約75.7万円約94.6万円
35万円6,629円約18.6万円約59.7万円約79.5万円約99.4万円
40万円6,744円約18.9万円約60.7万円約80.9万円約101.2万円
45万円7,500円約21.0万円約67.5万円約90.0万円約112.5万円
50万円8,270円約23.2万円約74.4万円約99.2万円約124.1万円

注意:早見表は、毎月の給与が6か月とも同じ場合の目安です。実際の金額は、離職票の賃金欄をもとにハローワークが決定し、雇用保険受給資格者証に記載されます。

失業保険の受給額の計算方法

失業保険の総額は、「基本手当日額×所定給付日数」で決まります。基本手当日額は、次の2ステップで計算します。

1. 賃金日額を計算する

賃金日額は、離職した日の直前6か月に毎月決まって支払われた賃金の合計を180で割った金額です。賞与など臨時に支払われるものは含みません。税金や社会保険料が引かれる前の額面で、残業手当や通勤手当など毎月支払われる手当も含まれます。

賃金日額=離職前6か月の賃金合計(賞与を除く)÷180

2. 賃金日額に給付率をかける

基本手当日額は、賃金日額のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)です。2026年8月1日からの区分は次のとおりです。

賃金日額給付率(59歳以下)給付率(60〜64歳)
3,203円以上5,480円未満80%80%
5,480円以上12,120円以下80%〜50%80%〜45%
12,120円超13,490円以下80%〜50%45%
13,490円超50%(年齢別の上限あり)45%(上限あり)

給付率が段階的に変わる範囲では、59歳以下は「0.8×賃金日額-0.3×{(賃金日額-5,480)÷8,010}×賃金日額」で計算します。60〜64歳は、「0.8×賃金日額-0.35×{(賃金日額-5,480)÷6,640}×賃金日額」と「0.05×賃金日額+4,848」のいずれか低い方です。

1日あたりの金額の上限額と下限額

離職時の年齢賃金日額の上限額基本手当日額の上限額
29歳以下14,900円7,450円
30〜44歳16,540円8,270円
45〜59歳18,220円9,110円
60〜64歳17,400円7,830円
全年齢(下限)3,203円2,562円

上限額と下限額は、「毎月勤労統計」の平均定期給与額の増減をもとに、毎年8月1日に見直されます。

関連記事:失業手当計算シミュレーション|受給額の計算方法・給付日数・金額が変わる条件を解説

失業保険をもらえる日数(所定給付日数)

失業保険を受け取れる日数の上限(所定給付日数)は、離職の日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間、離職理由によって、90日〜360日の間で決まります。

自己都合退職・定年退職など

被保険者であった期間所定給付日数
10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

倒産・解雇など(特定受給資格者・一部の特定理由離職者)

倒産や解雇などで離職した特定受給資格者は、年齢と加入期間に応じて90日〜330日です。たとえば45歳以上60歳未満で加入期間20年以上なら330日、30歳以上35歳未満で加入期間5年以上10年未満なら180日です。期間の定めのある労働契約が更新されなかったことによる特定理由離職者の一部も、離職日が2027年3月31日までであれば同じ日数です。障害のある人などの就職困難者は、150日〜360日です。

関連記事:特定理由離職者とは?該当条件・給付日数・必要な確認書類を解説

失業保険はいつから振り込まれる?

失業保険の金額とあわせて確認しておきたいのが、最初に振り込まれる時期です。ハローワークで求職の申込みをして受給資格の決定を受けた後、次の流れで支給されます。

離職理由待期給付制限最初の振込の目安
倒産・解雇など給付制限がない場合7日間なし最初の失業認定日から、通常5営業日程度
正当な理由のない自己都合退職(退職日が2025年4月1日以降)7日間原則1か月給付制限が経過した後の認定日から
5年間に2回以上の自己都合退職、重責解雇の場合7日間3か月給付制限が経過した後の認定日から

給付制限は支給開始を遅らせるもので、受け取れる日数そのものが減るわけではありません。ただし、失業保険を受け取れる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると所定給付日数が残っていても受け取れないため、離職票が届いたら早めに手続きしましょう。2025年4月以降にリ・スキリングのための教育訓練等を受けた(受けている)場合は、所定の申出により給付制限が解除される仕組みもあります。

関連記事:失業保険自己都合すぐもらう|失業保険の開始時期・給付期間・手続きを解説

失業保険の金額が変わる条件

離職前6か月の給与

1日あたりの金額は、離職前6か月の給与だけで決まります。残業が多かった月が含まれると高くなり、休職などで給与が少ない月が含まれると低くなります。賞与は含まれないため、年収が同じでも賞与の割合が高い人は金額が低めになります。

離職時の年齢

年齢によって1日あたりの上限額が変わり、60〜64歳は給付率の下限が45%になります。65歳以上で離職した場合は、基本手当ではなく高年齢求職者給付金として、被保険者期間1年以上で基本手当日額の50日分、1年未満で30日分が一時金で支給されます。

関連記事:65歳以上の失業保険|年齢別の給付制度・受給条件・申請方法を解説

離職理由と加入期間

会社都合などの特定受給資格者は受け取れる日数が多くなる場合があり、自己都合退職では加入期間が長いほど日数が増えます。同じ月給でも、45歳・加入20年の人が会社都合で離職した場合は330日、自己都合なら150日と、総額に大きな差が出ます。

受給中のアルバイトや早期の就職

受給中にアルバイトなどをした日は、収入の有無にかかわらず申告が必要で、就労した日は支給されず、内職などの収入があった日は減額される場合があります。一方、早く安定した職業に就き、所定給付日数を3分の1以上残しているなどの要件を満たすと、残日数の60%または70%分が再就職手当として支給されます。

関連記事:再就職手当条件|対象者・受給要件・対象外になるケースをわかりやすく解説

失業保険を受け取るときの注意点

受給には求職活動の実績が必要

失業保険を受け取るには、原則4週間に1回の失業認定日ごとに、前回の認定日から今回の認定日の前日までに原則2回以上の求職活動の実績が必要です。求人への応募やハローワークでの職業相談などが実績になり、求人情報の閲覧だけでは実績に該当しません。

失業保険に所得税はかからない

雇用保険の基本手当は非課税のため、所得税や住民税はかかりません。ただし、受給中も国民健康保険料や国民年金保険料などは支払う必要があるため、生活費を計算するときは差し引いて考えましょう。

事実のとおりに申告する

就労や収入を申告しないと不正受給となり、以後の基本手当等が受けられなくなるほか、返還を命じられ、原則として不正に受けた額の2倍に相当する額以下の納付を命じられます。

失業保険はいくらもらえるかに関するよくある質問

Q. 手取り20万円の場合、失業保険はいくらですか?

A. 失業保険は手取りではなく、税金や社会保険料が引かれる前の額面で計算します。手取り20万円の人の額面はおおむね25万円前後のことが多く、30〜44歳なら1日あたり約5,800円が目安です。正確には給与明細の総支給額で計算してください。

Q. パートやアルバイトでも失業保険はもらえますか?

A. 雇用保険に加入していて受給要件を満たせば受け取れます。計算方法は正社員と同じで、給与が低いほど給付率は80%に近づきます。

Q. 失業保険は月にいくら振り込まれますか?

A. 原則として4週間に1回、28日分がまとめて振り込まれます。1日あたりの金額×28日が1回分の目安です。初回は待期や給付制限の期間があるため、日数が少なくなることがあります。

Q. 失業保険の金額はどこで確認できますか?

A. ハローワークで受給資格が決定された後に交付される雇用保険受給資格者証に、賃金日額と基本手当日額が記載されます。

まとめ|失業保険の金額は給与・年齢・離職理由で決まる

  • 失業保険(基本手当)の1日あたりの金額は、離職前6か月の給与(額面・賞与を除く)のおよそ50〜80%(60〜64歳は45〜80%)です。
  • 30〜44歳なら、月給20万円で日額約5,000円、30万円で約6,300円、40万円で約6,700円が目安です。
  • 2026年8月1日からの上限額は7,450円〜9,110円、下限額は2,562円で、毎年8月1日に見直されます。
  • 総額は「基本手当日額×所定給付日数」で、自己都合退職なら90日〜150日、会社都合などは最大330日(就職困難者は360日)です。
  • 振込は原則4週間に1回で、自己都合退職は給付制限があります。受給期間は原則1年なので、早めに手続きしましょう。

まずは直近6か月の給与明細の総支給額を合計して、自分の1日あたりの金額を計算してみてください。

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参考文献

※確認日:2026年10月20日。制度の内容・金額・期限は改正されることがあります。最新の情報は各公的機関のページでご確認ください。