退職が決まると、「失業保険の手続きは何から始めればいいの?」「ハローワークでは何をするの?」と不安になりますよね。

結論からお伝えすると、失業保険(雇用保険の基本手当)の手続きは、離職票を持って住所を管轄するハローワークに行き、求職の申込みをするところから始まります。その後は、初回説明会と、原則4週間に1回の失業認定を繰り返しながら受給します。この記事では、退職前から就職までの手続きを時期別に整理し、必要書類と窓口でやること、受給開始までの流れを解説します。

この記事のポイント

  • 失業保険の手続きは、退職前の準備→ハローワークでの初回手続き→初回説明会→失業認定(4週間ごと)→就職時の手続き、の順に進みます。
  • 初回手続きには、離職票(-1、-2)、個人番号確認書類、身元確認書類、写真2枚、本人名義の通帳またはキャッシュカードが必要です。
  • 求職の申込みはオンラインでもできますが、受給手続きはハローワークの窓口で行う必要があります。
  • 失業認定日には、失業認定申告書に求職活動の実績や就労の有無を記入して提出します。
  • 基本手当を受けられる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。離職票が届いたら早めに手続きしましょう。

失業保険の手続きの全体像

一般に失業保険と呼ばれるのは、雇用保険の「基本手当」です。手続きは、時期ごとに次のように進みます。

時期主な手続き場所
退職前離職理由の確認、離職票の交付の依頼、必要書類の準備勤務先
離職票が届いたら求職の申込み・離職票の提出・受給資格の決定住所を管轄するハローワーク
受給資格決定から7日間待期(支給なし)―
指定日雇用保険受給者初回説明会に参加ハローワーク
原則4週間に1回失業認定日に失業認定申告書を提出ハローワーク
認定日から通常5営業日基本手当の振込―
就職が決まったら就職の申告、再就職手当の申請ハローワーク

関連記事:失業保険のもらい方|申請手順・必要書類・受給開始までの流れを解説

退職前にしておく手続き

離職理由の記載を確認する

会社がハローワークに提出する離職証明書には、離職前に本人が氏名を記載することになっており、その際に離職理由などの記載内容も確認するよう案内されています。離職理由は、給付制限の有無や所定給付日数に関わります。

離職票の交付を会社に伝える

離職票は、会社が離職日の翌々日から10日以内に資格喪失の手続きを行い、ハローワークが発行したものが会社経由で交付されます。失業保険の手続きに必要なため、離職票の交付を希望することを会社に伝えておきましょう。

必要書類をそろえておく

マイナンバーカードや写真など、離職票以外の書類は退職前から準備できます。離職票が届いたらすぐに手続きできるよう、次の章のチェックリストで確認しておきましょう。

失業保険の手続きに必要な書類

ハローワークでの初回手続きに必要な書類は、次のとおりです。

書類内容・注意点
雇用保険被保険者離職票(-1、-2)会社から届く。複数枚ある場合は、短期間のものも含めてすべて提出
個人番号確認書類マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票のいずれか
身元確認書類運転免許証やマイナンバーカードなど。ない場合は健康保険被保険者証や住民票記載事項証明書などのうち異なる2種類(コピー不可)
写真2枚縦3.0cm×横2.4cm。マイナンバーカードを毎回提示する場合は省略可
本人名義の預金通帳またはキャッシュカード一部指定できない金融機関がある

必要な書類は状況によって追加されることがあります。来所前に、管轄のハローワークの案内も確認しておくと安心です。

注意:雇用保険被保険者証は、初回手続きの必要書類に含まれていません。手元になくても、離職票があれば手続きできます。

関連記事:雇用保険被保険者証もらってない|確認方法・再発行手続き・必要書類を解説

ハローワークでの初回手続き(受給資格の決定)

手続きの場所と時間

手続きは、住所を管轄するハローワークで行います。受付は平日の8時30分から17時15分までで、求職の申込みに時間がかかるため、16時前までに来所するよう案内されています。時間に余裕をもって来所しましょう。

窓口でやること

  • 求職の申込み(希望する仕事の内容や条件などを登録)
  • 離職票などの必要書類の提出
  • 受給要件の確認と離職理由の判定
  • 受給資格の決定と、雇用保険受給者初回説明会の日時の案内

離職理由に納得できない場合は、この段階でハローワークに相談できます。実際の離職理由と離職票の記載が異なる場合は、離職理由を証明する書類があれば持参しましょう。

オンラインでできること・できないこと

ハローワークインターネットサービスで求職者マイページのアカウントを登録すれば、自宅のパソコンやスマートフォンから求職の申込みができます。ただし、雇用保険の受給手続きを行う場合は、ハローワークの窓口での手続きが必要です。

求職者マイページからのオンライン自主応募は、ハローワークの紹介とはならないと案内されています。給付制限がある人が待期満了後1か月以内に就職して再就職手当を受けたい場合などは、応募方法に注意しましょう。

受給資格決定後の手続き

7日間の待期

受給資格の決定後、失業の状態にある7日間は「待期」と呼ばれ、基本手当は支給されません。離職理由にかかわらず、すべての人に適用されます。待期期間中に仕事をした日は待期日数に含まれないため注意しましょう。

雇用保険受給者初回説明会

指定された日時に初回説明会に参加し、受給についての重要な説明を受けます。ここで雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取り、第1回の失業認定日が知らされます。持ち物は「雇用保険受給資格者のしおり」と筆記用具です。

失業認定日の手続き

原則として4週間に1回、指定された日にハローワークで失業の認定を受けます。失業認定申告書に必要事項を記入し、雇用保険受給資格者証とともに提出します。

失業認定申告書の主な記入事項ポイント
就労・内職・手伝いの有無アルバイトなどをした日は、収入の有無にかかわらず記入
求職活動の状況応募した求人や職業相談など、実績を具体的に記入
就職・自営の予定決まっている場合は記入
すぐに働けない日の有無病気などで働けなかった日があれば記入

認定を受けるには、原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までに2回以上の求職活動の実績が必要です。最初の認定日までは、待期満了後から1回以上が必要です。求人への応募やハローワークでの職業相談などが実績になり、職業紹介機関への登録や求人情報の閲覧だけでは実績に該当しません。

基本手当の振込

失業の認定を受けた日から、通常5営業日で指定した口座に振り込まれます。休祝日や年末年始をはさむ場合は遅れることがあります。その後は、所定給付日数を上限として、失業の認定と振込を繰り返します。

関連記事:失業保険はいつからもらえる|申請から振込までの流れ・初回支給の目安・遅いときの確認先

受給開始までの期間の目安

離職理由待期給付制限支給の考え方
倒産・解雇など給付制限がない場合7日間なし手続き後、最初の失業認定日に認定を受けて支給
正当な理由のない自己都合退職(退職日が2025年4月1日以降)7日間原則1か月給付制限期間が経過した後の認定日から支給
5年間に2回以上の自己都合退職、重責解雇7日間3か月給付制限期間が経過した後の認定日から支給

2025年4月以降にリ・スキリングのための教育訓練等を受けた(受けている)場合は、所定の申出により給付制限が解除される仕組みもあります。

受給中や就職時に必要な手続き

就職が決まったとき

就職が決まったら、ハローワークに就職の申告をします。就職日が次回の認定日より前の場合は、原則として就職日の前日に来所し、それまでの失業の認定を受けます(給付制限期間中に採用される場合は前日でなくても構いません)。就職先に記入を依頼した採用証明書を持参します。

所定給付日数を3分の1以上残しているなど一定の要件を満たすと、再就職手当を受け取れる場合があります。支給申請書は、就職した日の翌日から1か月以内に提出します。

関連記事:再就職手当条件|対象者・受給要件・対象外になるケースをわかりやすく解説

病気やけがで働けなくなったとき

求職の申込み後に、15日以上引き続いて病気やけがのために働けない場合は、基本手当の代わりに雇用保険の傷病手当の対象になります。働けない理由がなくなった後の最初の認定日までに、傷病の認定を受ける必要があります。引き続き30日以上働けない場合は、受給期間の延長も申請できます。

住所や氏名、口座が変わったとき

受給中に引っ越しや氏名の変更、振込先口座の変更があった場合は、ハローワークに届け出る必要があります。引っ越しで管轄のハローワークが変わる場合の手続きも含めて、受給資格者のしおりやハローワークの窓口で確認しましょう。

失業保険の手続きで気をつけたいこと

受給期間を過ぎないようにする

基本手当を受けられる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると、所定給付日数が残っていても受け取れません。離職票が届いた時点で就職(内定を含む)が決まっていない場合は、速やかに手続きを始めましょう。

離職票が届かないときは早めに相談する

離職日の翌々日から10日を過ぎても届かない場合は、まず会社に処理状況を確認します。会社が手続きをしない場合などは、身元確認書類と、退職証明書など退職したことがわかる書類を持って、住所を管轄するハローワークに相談しましょう。

申告は事実のとおりに行う

求職活動の実績がないのに申告することや、就労や収入を申告しないことは、不正受給に当たります。不正受給をすると、以後の基本手当等が受けられなくなり、返還を命じられるほか、原則として不正に受けた額の2倍に相当する額以下の納付を命じられます。

失業保険の手続きに関するよくある質問

Q. 失業保険の手続きは代理人でもできますか?

A. 求職の申込みと受給資格の決定、失業の認定は、原則として本人がハローワークに来所して行います。受給期間延長の申請や再就職手当の支給申請書の提出など、代理人や郵送で手続きできるものもあります。

Q. 失業保険の手続きにかかる時間はどのくらいですか?

A. 初回の手続きは、求職の申込みに時間がかかるため、ハローワークは16時前までの来所を案内しています。混雑状況によって変わるため、時間に余裕をもって来所しましょう。

Q. 住所以外のハローワークでも手続きできますか?

A. 原則は住所を管轄するハローワークです。希望地を管轄するハローワークで手続きできる場合もあるため、詳しくは都道府県労働局やハローワークに確認してください。

まとめ|失業保険の手続きは時期ごとの流れを押さえて早めに進めよう

  • 失業保険の手続きは、離職票を持って住所を管轄するハローワークで求職の申込みをするところから始まります。
  • 初回手続きには、離職票、個人番号確認書類、身元確認書類、写真2枚、本人名義の通帳またはキャッシュカードが必要です。
  • 求職の申込みはオンラインでもできますが、受給手続きは窓口で行います。
  • 受給中は、原則4週間に1回の失業認定日に失業認定申告書を提出し、認定日から通常5営業日で振り込まれます。
  • 就職が決まったら就職の申告をし、再就職手当の要件も確認しましょう。

まずは退職前に必要書類をそろえ、離職票が届いたらすぐにハローワークで手続きできるよう準備しておきましょう。

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参考文献

※確認日:2026年10月20日。制度の内容・金額・期限は改正されることがあります。最新の情報は各公的機関のページでご確認ください。